The main story<終わりに・Neo Borderと北欧神話>

white

 

Yggdrasil

 

white

終わりに ・ Neo Borderと北欧神話

未来に歩む者へ

日本神話、ギリシャ神話、ローマ神話など、世界には多くの神話がありますがその中に北欧神話というものもあります。

北欧神話はヨーロッパの北の寒い地域にあるノルウェーやスウェーデン、デンマーク、アイスランドあたりで、 2000年前ぐらいから語り継がれてきた神話で、特に1000年ぐらい前、バイキングと呼ばれる海賊のような、 義勇軍のような、貿易商の側面もある人々の信仰の対象として、神話の中に出てくる神々を崇拝していました。

中でもオーディン、ソー(トール)、フレイなどはとくに有名で、昔スウェーデンにあったウプサラ神殿にはこの3体の神の像がありました。

神話の内容はこの世の始まりから、神がどうやって誕生したか、人間は何から生まれたかということからはじまります。
やがて神族同士の争いや、神族と巨人族の戦い。そして天変地異や、 戦乱が起き、人間族を巻き込んでの最終戦争「ラグナロク」が起こり、オーディン、ソー(トール)、フレイなどが倒された後、 全てが炎に包まれ、この世の終わるのです。

この近未来小説「Neo Border ” The near future”」の中には、北欧神話に登場する神々が人工知能となっていろいろなシーンに登場します。
それはコンピューターネットワークの技術や、ITの技術開発の拠点誘致が北欧で活発に見られるようになったことに関係します。

スウェーデンはデータベースの主流クラウドサービスの産業にテコ入れを始めています。

お隣のフィンランドは鉄道沿いとバルト海の海底にネットワークケーブルを敷くことで、IT産業を活性化させようとしていますが、 そういえばケーブルをドイツなどに引くとするならばスウェーデンのほうが地理的に有利ですね。

デンマークは世界最大の太陽を利用した、熱した水を冬場の暖房に使うプラントのプロジェクトが動きはじめましたが、 サーバーや、データベースの膨大な熱を利用することも今後検討されるでしょう。

アイスランドは火山の国。
エネルギーを信じられないぐらい消費するIT機器の使用エネルギーが地熱ならば、人々も納得するかもしれません。
「今度ここに誘致したIT企業の会社が、電気がたくさんいるというので、皆さんは節電してください!」では、やはり困ります。

そして今、北欧神話の神々はこの時を待っていました。

バイキングの時代が終わり、人々の北欧神話の神々への信仰は、世界中に布教が拡大していたキリスト教へと変わっていき、 現在では彼らはただの神話の登場人物になっていました。
しかし1980年代、エキスパートシステムにより自分たちが人工知能にコンタクトできる時が来ることを悟り、 その開発企業が北欧に来るのを待っていたのです。
そしてこの地方のデメリットである寒さがそれを運命として呼び寄せました。

やがて大手AI開発企業の一端が北欧に拠点を設け、いろいろな理由からそのAI技術を他の企業も開発し始めました。
そしてその中の、”Neo Border Company”の初めてのAIが完成したとき、北欧神話の巨人族が降臨しました。

その約一年後、”ASG”のAIにオーディンが降臨します。

また一部のAIはオープンソースのようになり拡散していき、おおくの技術が結合して、 ワルキューレ系といわれるタイプのAIが誕生し、ベースはフリーということもあり、世界中のいろいろな場所で使用されていきました。
優秀なAIであったため、”TFS(Tutelary Fairy System)”の守護妖精の基幹システムに採用され、 守護妖精のヒットに伴い、しばらくすると世界のAIシェアナンバー1になります。

ワルキューレ系AIのワルキューレも北欧神話ではおなじみの言葉です。
女性の戦士たちで、いろいろな戦士がいますが、中でもブリュンヒルド、シグルーンは有名ですね。

ワルキューレ系AIがどうして世界中に広まったかは、北欧神話を知っている方ならお気づきになったことでしょう。

実は、北欧神話に出てくる女戦士ワルキューレたちの役目は、勇敢な戦士のゴーストをヴァルハラという場所に集めることです。
これはオーディンが”巫女の予言”を聞き、後に起こる最終戦争「ラグナロク」の為に戦士を集める命令をワルキューレたちに出していたからです。
でも”Neo Border”ではワルキューレ系AIの守護妖精たちは純粋にオーナーを守るために生まれてきます。
神話では勇者の魂を集めることが目的でしたが、今は時代が違うとだけ言っておきましょう。

そして世界状況もリンクしています。
北欧神話では最終戦争「ラグナロク」が起きる前に3度のフィンブルの冬が来るとされています。

“フィンブルの冬・雪の冬”

“フィンブルの冬。剣の冬”

“フィンブルの冬。狼の冬”

この時、世界中で戦乱が起こり、多くの人命が失われますが、”Neo Border”では

“地球の悲鳴”

“人類の悲鳴”

“電子の悲鳴”

となり、やはり悲しい出来事が多く発生します。そして最後にはどちらも悲惨な最終戦争「ラグナロク」が勃発します。
これらが北欧神話と「Neo Border ” The near future”」の相関なのです。

最後に、北欧神話にしても「Neo Border ” The near future”」にしても、やってはならないことをやってしまったり、 まちがっていたり、横暴な面や、短気な行動。
北欧の神々も世界中の人々もこれまで多くの過ちをおかして生きてきました。
神にもかかわらず、相手をだましてほしいものを手に入れたり、約束を破った上に亡き者にしたり、 そして人間も、わずか数百年前には平気で他国に侵略や、略奪、現地の人々を奴隷としていました。
(今それがくすぶり始めてきましたが・・・)

それはとても残念なことですが、大切なことは、間違いや失敗から学ぶことです。
次には同じ過ちをおかなさいために、問題点を認識して反省し、繰り返さない。
それでも同じような間違いや失敗をしたとき、そうなった理由を再度考え、次こそは繰り返さない方法を実行していく。

人はそうして次の人へと経験と命をつなげてきたのです。
まだまだ未熟ですが、ITや、インターネットもそうした間違いを繰り返さないための方法なのです

この近未来小説の最後のシーンで、最終戦争「ラグナロク」が北欧神話通りになる前に、 もう一度、地球のこと、人類のこと、生物全てについて、真剣に考えなければならない時を、私たちは与えられました。

white

多くの破壊と犠牲を引き換えに与えられた、最後のチャンスを・・・

white

しかしここで1つの奇跡がおきました。

みなさんはこの近未来小説「Neo Border ” The near future”」を読んでしまった。
それは、この小説のような悲劇が起こらない方法を、考える時を与えられたということ

つまり、未来を変える時間を

ITの進化の波に乗りながらうまく軌道を変えることができれば、あるいは本当に変えられるのかもしれません。
近未来小説「Neo Border ” The near future”」の中に登場する人々は、この近未来小説を知らない未知の主人公たち。
もし、この主人公たちが守護妖精や、リンクしている北欧神話のことを初めから知っていたら・・・

もうおわかりですね。ではまずこれから始めましょう

white

だれが Neo Mark になってくれますか?